TB12

マザー!のTB12のレビュー・感想・評価

マザー!(2017年製作の映画)
3.7
「旧約聖書の創世記」「アダムとイヴ」「神」「地球」「人類」「現代の環境問題」etc...。

書き出すとキリがないほど色々なテーマが盛り沢山の迷作映画。

キリスト教に無縁な我々日本人には難しい内容かも分からん(海外でも評価はまちまちだが)

ただ今作は一応それなりに分かりやすく旧約聖書と新約聖書の暗喩が成されてる映画だからダーレン・アロノフスキー的には「優しく作ってやったぜ」ってな感じなのかもしれない(いや絶対違う笑)

この映画に関しては解説を読んでから鑑賞するのもいいかもしれないね。
2回見るのが面倒な人なら尚更。

あとなんか気になったのはアロノフスキーとジェニファー・ローレンスの背景ね。

この映画の撮影中に交際を始めて映画公開の直前ぐらいに別れてるみたいだがこれってまるでこの映画でハビエル・バルデムが演じた主人公(神)みたいじゃん?

創造の為なら主演女優も食ってやるぜ的な。

あの主人公はアロノフスキーが自分を投影したキャラにも思えてくるのは気のせいなのか。

うーんやはりあらゆる意味で迷作映画だ。

個人的には嫌いじゃない。
むしろ好きな部類の作品。

なによりキャスト陣が最高だもん。
ジェニファー・ローレンスの体当たり演技は素晴らしかったしハビエル・バルデムの居るだけで不気味な絵になる存在感も最高だしエド・ハリスとミシェル・ファイファーのアダムとイヴのキャラも良いしそれだけでもあと何度か見れちゃう。

個人的に好きな場面は家でどんちゃん騒ぎをするあの一連のシーン。

アロノフスキーもインタビューで答えてるがまさしくあれらは現代の地球が抱える環境問題への皮肉なのだろう。
もっと言えば人類の歴史とも言える。

人類の堕落と大洪水の引用らしいのだがジェニファー・ローレンスの家(地球)に人類が土足で勝手に入り込んで来て意味不明に暴れ回ったり勝手に宗教を作って盛り上がってたりかと思えば戦争おっ始めてたりと人類の歴史のなぞり方が上手すぎて鳥肌モンですわ。

そんでもってジェニファー・ローレンスが宿した神の子イエスは神の盲目信者達の手によって…と言うキリスト教への風刺も上手かった(だからこそキリスト教を冒涜してんのか?って怒る人もアメリカ等では多かったのではないかな?)

また近いうちに再鑑賞しよっと。
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