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マザー!のTSのレビュー・感想・評価

マザー!(2017年製作の映画)
3.4
【歪すぎる映画】74点
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監督:ダーレン・アロノフスキー
製作国:アメリカ
ジャンル:スリラー
収録時間:121分
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なかなかぶっ飛んでいたサイコスリラー映画でした。こういう時過剰な宣伝文句はある種の物差しとなるため今回に関しては良いかも。一風変わった作品が好みではない限り、今作を鑑賞しない方が良いかもしれません。ジェニファー・ローレンスは『レッドスパロー 』といい、ここ最近活躍していますね笑

作家の夫とその妻はとある屋敷で暮らしていた。そこに彼のファンでもある男性が入り込んでくるのだが。。

面白いのが登場人物全員に名前が与えられていないこと。会話においても夫を「彼」、妻を「マザー」と称しており、人名が一切出てこないという有様。この監督は一体何を描きたかったのか。憶測は様々でしょうが、人間というのは結局のところ私利私欲の塊でしかない。そこに個性は皆無であり、名前をつけるというのは同じものを無理矢理乖離させることに他ならない。といったところでしょうか。
実際、夫も何をしたいのわからない。不自然とさえ思えるし本当にイライラする。自分の名声のためだけにあらゆる人間を屋敷に呼び込み惨劇状態。途中から監督も開き直ったのか通常ではありえない展開が続きます。これには鑑賞者も唖然となるでしょう。

これが日本公開中止となったのはラストのシークエンスがその最たる原因でしょう。グロテスクとかそういう次元を超えた狂気の沙汰。というか宇宙人が外から人間を見たらもしかしたらこんなもんなのかもしれません。人間はどこまでいっても獰猛でずる賢いということなのでしょう。

この監督は多分神話的、哲学的要素を盛り込みこの作品を完成させたのだと思います。じゃないとこんな歪な映画は到底作れません。しかし、僕ではその全てを理解することは厳しかったです。まあ変わった映画なので興味のある方だけどうぞ。。
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