YukiSano

マザー!のYukiSanoのネタバレレビュー・内容・結末

マザー!(2017年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

宗教ホラーでコメディ。

旧約聖書を書いた創造主がスランプに陥ったため、創造のミューズを使って新約聖書を書いてキリスト生誕までを遂行する物語。

メタファーしかない話で、家そのものを演劇ばりに世界の縮図として表現。その内、ドリフのコント並のブラックコメディになっていくので笑えた。

新約聖書を書くために色々と犠牲にしつつ、愚かな人間を招き入れ赦すという博愛の欺瞞を暴いてるように見える。それは創造という行為に全てを捧げる人間の批評でもある。

世界中で大ブーイングだったらしいが、宗教の狂気性をよく描けてるからだろう。ユダヤ教やキリスト教の人はめちゃくちゃ馬鹿にされてると思うはず。「家」はエルサレムでもあるのかな?また家の洗面所の破裂でノアの方舟を表現している(笑)

真面目に観ると疲れる作品だが哲学映画ではなく、お笑いとして見ると笑えて良いかなと思う。カインとアベルがド突き漫才を始めた時あたりから吉本新喜劇やダウンタウンが演じてると思って見ていると起こる全ての事がウケを狙ってるとしか思えなくなる。

そして、こんな狭い話に制作費30億円かけたことが一番びっくりしたという壮大なコントでした。
YukiSano

YukiSano