人里離れた一軒家に住む夫婦。
夫はかつて時の人となったが火事で家も思い出も失った詩人。
妻はそんな夫を支えながら、家の修復をする平穏な日々を送っていた。
ある日、医者を名乗る男が家を訪ねてくるが、どうやら夫の熱狂的なファンらしい。
気を良くした夫は彼と親密になっていき、医者の妻まで家に入り浸るようになり、遂には彼らの息子まで家に押し入るのだつた…
何故か日本で公開中止となった問題作でもない問題作。
脱いだ靴を脱ぎっぱなしにされるのすら嫌な自分としてはなかなか不快指数の高い映画でした…
が、それ以上に面白い映画でもありましたね。
非常に宗教色の強い、特に旧約聖書の創世記のメタファーが色濃く出ています。
神と聖母、アダムとイブ、カインとアベル、破壊と創造…そして人類が犯してきた罪…
それらを全て一つ屋根の下でスペクタクルに描くダーレン・アロノフスキー監督の見せ方の上手さと意地汚さよ。
あれよあれよとお家の中が大変なことになっていく後半戦は不快感というかむしろ映画的快感に溢れてます。
