スガシュウヘイ

マザー!のスガシュウヘイのネタバレレビュー・内容・結末

マザー!(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

お気に入りレビュアーさんからのおススメで鑑賞した作品。めっちゃ面白かった。

一応、聖書の内容が元らしいのだが、私はキリスト教の知識がないので、理解できていないと思う。いろいろな解説も調べればあるのだろうが、私はあえて調べない笑。今は、正解よりも自分の自由な感想を書いてみたい。


私の言葉で表現させてもらえば、本作は「女性の出産に伴う壮絶な痛みやプレッシャーを、ものすごい角度から描いた作品」という所だろうか。

家がまるごと胎動しているかのような映像表現は見事。
だが、その家は徐々に壊されていく、、!

前半は、とにかく陰鬱でストレスが溜まる。なぜこんな理不尽な仕打ちを受けなければならないのか。ミヒャエル・ハネケの『ファニーゲーム』に負けず劣らずの不快感。

しかし、その抑圧が一気に晴れる。そう!赤ちゃんが宿ったのだ!新しい命。待望の命。この喜びに勝るものなし。

ところがどっこい、またしても不穏な空気。そしてラスト30分は、まさに地獄絵図。地獄絵図すぎて、むしろ私は大爆笑だった。これだけ声出して笑ったのは久しぶり。ハビエル・バルデムは、さっきから何をやってるんだ笑。お前は学習しないんかい。
そして、そんな中、ついに出産!マザーになる!

いやいや、それにしてもラストでこんなに大爆笑するとは、あの前半からは予想できませんでしたね笑。振り幅すごい。

また、これだけのカオス状態からの大爆発で、最後はどう締めるのだろうか、とワクワクしていたら、これまたなんとも綺麗にまとまった。


素晴らしい芸術作品。
出産とは、かくも大変な作業なのだ。
いや、本当はそういうメッセージの映画ではないのだが。

公開:2017年
監督:ダーレン・アロノフスキー(『ブラック・スワン』)
出演:ジェニファー・ローレンス、ハビエル・バルデム