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ハウス・ジャック・ビルトのAsskickerのレビュー・感想・評価

ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)
4.0
『ハウス・ジャック・ビルト』


殺人鬼ジャック、全てを”芸術”だと捉えている崇高かつ狂気な人間。

まず最初に感じたのは宗教色の強い映画で、天国と地獄を表したり、偶像崇拝などが見られる。この監督の狂気さをひしひしと感じさせられた。だが、内容とセリフは深いものもあり、考えさせられるシーンも多々あった。ゲーテやピアニスト、ドイツ語の名称など芸術性を高めるアイテムを映し出すことによって、彼の殺害を正当化しているようにも感じた。


地獄の橋のシーンは、償いをすれば天国に上がることができると暗示しているが、償いは無意味だと主張しているようにも感じる。


人々は恐らくこの映画を通して自分の中に”Jack”を見たのではないだろうか。次々と人々を殺害していくジャックに共感はしないが、第5の殺人に苛立ちを感じた人も少なくはないだろう。これが監督のメッセージであり伝えたいことではないだろうか。普通と異常は紙一重で誰でも殺人鬼になる、そう訴えてきているようにも感じた。


エンディングの”Hit the Road Jack”はかなり風刺を感じた。
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