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ハウス・ジャック・ビルトのtomocoのネタバレレビュー・内容・結末

ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

人間のフェティシズムに迫ったシリアルキラーもの。
殺人を幾度も繰り返した、ジャックの懺悔と証言を観客は見せられる事になる。
人は誰しも禁断な中身を、怖いもの見たさで覗いてみたい…少なからずそういった傾向を持っているだろう。
そういう部分を観客に対して提示している気がした。
監督のトリアーが嘲笑う姿が想像出来る。

シリアルキラーを演じた、マット・ディロン。
見事な殺人鬼顔だ。
最初に出会った(失礼ながら)クソ女…が、彼を豹変させてしまったのか、これでもか、これでもか、と言う程に殺戮を繰り返す。
劇中の何箇所かで大音量のロックがかかるのだけど、それにのっかるように、これでもか、これでもかと。

強迫観念で潔癖の彼は、アートに拘る。
自分自身も、殺人も、死体現場も、完璧でなければならない。
その拘り様に笑わざるを得ない。
ボブ・ディランのパクリも最高。

最終章のブルーノ・ガンツの神父が胸熱だった。
観ても観なくても得るものはないが、今後も語り継がれる作品である事には変わりない。
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