はみ出し者の少年が、同じくはみ出し者の転入生と共に当てのない刺激的な旅に出た一夏の思い出を描いたドイツ映画。
2022年96本目。
ドイツのベストセラー小説を、ドイツの若き巨匠ファティ・アキンが映画化した作品です。好奇心に任せて当てのない旅に出て、お互い強がりながら無茶なことをして仲を深めていく。そうして気付いたら一夏の忘れられない思い出が残っている。
確かに後先考えず好奇心に身を任せて背伸びした行動をとっていた小中学生の時分を思い起こさせてくれる、かなりノスタルジーに包まれる作品ではあります。が、なんせ2人のクセが強過ぎて、折角のノスタルジーに浸るどころではないやや性急な展開が好みに合うかどうかで評価が分かれるかと思います。その点で言うと少し苦手でした。それでもこの映画を観てしばらく経ってから、自分の体験と重ね合わせながらレビューを書いていると、尚一層強く懐かしさを感じて不思議な余韻が押し寄せます。ノスタルジーという感情の強さを改めて感じています。
風景も美しいので、ロードムービーとしてはやはりよくできているのだと思います。