ばーどイヌサンローラン

50年後のボクたちはのばーどイヌサンローランのレビュー・感想・評価

50年後のボクたちは(2016年製作の映画)
3.3
ドイツで200万部を超えるベストセラー小説、ガング・ヘルンドルフの『チック(14歳、ぼくらの疾走)』の映画化。




ちょこっとあらすじ

マイクは14歳。クラスメイトのタチアナに片思い中だが、臆病者で話しかけることができない。クラスでははみだし者で、授業でアル中の母親についての作文を読むと、同級生から「変人(サイコ)!」と笑われ、先生から大目玉を食らう始末。
ある日、担任が転校生を連れてやってきた。チチャチョフという聞き慣れない名前。
「どこの出身か自己紹介を」
「面倒くせえ」
どうやらロシアのかなり遠い所から移住してきたらしい。目つきが悪く、変な髪型で二日酔い。とんでもない奴がやって来たと、転校生・チックの噂はすぐさま学校中に広まった。
夏休みが始まった。
ある日突然、チックが青いオンボロのディーゼル車“ラーダ・ニーヴァ”に乗って家にやってきた。
「盗難車か?」
「借りただけさ あとで返す」
「捕まるぞ」
「俺は14歳だ 刑罰は15歳からさ」
恐る恐る、車内を見渡すマイク。
「ドライブに行こうぜ」
そして2人はチックの祖父が住んでいるという“ワラキア”を目指して旅に出た。
トラブルに遭遇しながらも旅の途中でいつくもの出会いと別れを繰り返していく。やがて無鉄砲で考えなしの旅は、マイクとチックにとって一生忘れることのできないものになっていく――。(公式サイトより)




感想

去年、観た『グッバイ、サマー』のような作品。



青春ロードムービーっていう設定も、登場人物のカンジも似てる。主人公が繊細で、ひ弱そうな少年で、その相棒がガサツで強そうって言う。


夏休みのものがたりは、夏の終わりに観るのが向いてるのか?



14歳

怖いものなし

なんだって出来ると思っていた。




ちょっと変わり者で、なんとなく浮いている、はみ出し者の主人公のマイク。(うん、わかるよ、おばちゃんは。おばちゃんもこういうタイプだから😤)


ある日、ロシアのかなり田舎の方から転校生チックがやってきた。


しかも席は主人公の隣。


なんか臭いし、二日酔いみたいだし、変な髪型だし、服装がきちゃない。好かれる要素なしだ。でもね、頭はいいのだ。



そんな異端な2人だけが、クラス1の人気者でかわい子ちゃんの誕生パーティー呼ばれなかった。夏休み最初の、その出来事で、なんともお先真っ暗なカンジになってる主人公マイク。



だってマイクだって彼女のことが好きなんだから。密かに彼女のプレゼントだって、ずっと前から用意してるのに…。愛情いっぱいで誰にも真似できないモノをね…



そして大好きな母親はアルコール依存を治すため療養所に行ってしまうし、それをいいことに父親とは出張といいつつ浮気三昧だ。


夏休みだってのに一人取り残されたマイク…



の前にー





あの嫌われ者のロシア野郎が現れて…


盗んだ車で走り出すのだ💨💨💨



夏休み、

少年2人のロードムービー、

しかも車。(盗んだから、お手製かの違いはあるけど…)

14歳って…


まさに『グッバイ・サマー』ぢゃありませんかー




爽やかな、とも、ちょっと違うし、だって完全違法だしね。でも妙に清々しいのだ。


幾多のトラブルに巻き込まれながら、少年は確実に成長して帰ってきたよね。



途中『天国の口、終わりの楽園』っぽい展開になるのか?と思うが、ならない。


儚い恋ごころに、ほろ苦い経験もし、少年から、ちょっとだけ大人の階段を上ってるカンジが、観てるこっちまで照れ臭くなる。そしてきゅんきゅん💓




夏休みが終わり、

新学期、

成長し、

強くなって戻ってきたマイクを見て、

クラス1の人気者のかわい子ちゃんはがいい寄ってくるけけど、No thank youってカンジで、クーッ、COOL!



もう、こういうの単純に好き。




でも相棒チックが切ないな…



原題は『TSCHICK』。邦題は少年たちが旅の途中で出逢った女の子と『50年後、ここで会おう』と言ったのがタイトルになっている。



約束とは破る為にあるとは思わないけど、
50年後の約束は多分、果たされないんだろうな…




そういうもんだ。



若さは一瞬、あっと言う間に過ぎてしまう。



青春とは、だから美しいのだ。





そんな14歳の一瞬を切り取った本作が面白くないわけがない。←個人的趣味ですが…





【78点】





2017.10.12 ヒューマントラスト有楽町







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