リグレット

50年後のボクたちはのリグレットのレビュー・感想・評価

50年後のボクたちは(2016年製作の映画)
3.9
ファティ・アキンのこれまでの作品は旅をする人を描く題材が多い。その旅を続ける理由は民族的な迫害からの逃避、一目惚れした人を追う男、家族を探す物語などトルコ系ドイツ人としての自信のあるルーツ、そしてヨーロッパ人としてのアイデンティティに密接に結びついた作品がまさにこの監督にとっての一本の幹なのである。
今作は少年たちの一夏の友情、恋、冒険を題材にした物語ではあるものの、クラスで目立たない存在だった主人公がロシア系の転校生というマイノリティーの少年と友情を築く人種が多く入り混じったドイツ、そしてヨーロッパという舞台故の物語。
車中で僅か14歳の少年2人がお互いの民族や血について当たり前のように話すシーンは我々日本人にはちょっと考えられないシーンだった。
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