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50年後のボクたちはのcollinaのレビュー・感想・評価

50年後のボクたちは(2016年製作の映画)
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私にはもうすぐ、約束の年がやってくる。「〇年後」の約束が。約束した、彼らと。

数か月前に思い描いた未来とは全く異なっている今、新しい生活が始まった私は得体のしれない不安に蝕まれたり、空元気を振り絞ったりもしている。不安定な人間関係。不確かな未来。未来なんて元々不確かなものだが。こんなとき思い出すのは、いつも小学生の頃の馬鹿げた無駄な日々だ。真っ暗になるまで雪合戦をしてびしょびしょになって帰ったり、大雪なのにバスを一本乗り過ごしてバス停で1時間もバスを待って馬鹿みたいに笑ったり、寂れた文化会館の庭の雪山で暴れまわったり。あの頃は、スマートフォンなんか放っておいてひたすらに遊んでいた私たち。

そのときの彼らと「また会おう」と約束した。けれどその約束が叶うかなんてわからない。ましてや、50年後なんて。けれども、どこか叶うって信じている自分がいるし、彼らの約束が叶ってほしいと願う自分がいる。ティーンと大人の間の自分には彼らの姿は輝かしいし、一方で自分の中にもそんな自分はまだ存在している。なんだかむずがゆい。

エネルギー問題を脳内から吹き飛ばして、ウイルスで頭の中がいっぱいの脳みそのキャパが少ないわたし。そんな脳みその私が〇年後を語るなんて無謀だし、お先は真っ暗だけれど、それでも、くだらない思い出と約束を胸に抱きしめて、いつか叶うと思って、今はひたすらに一日一日を過ごしたい。
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