回想シーンでご飯3杯いける

未来から来た男の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

未来から来た男(2011年製作の映画)
3.3
ひと言で例えれば、ブラジル版「バック・トゥ・ザ・フューチャー 2」。2011年(本作の公開年)から1991年にタイムスリップするストーリー、基本はコメディ仕立てで、恋愛要素ありで、タイムスリップした行き先で学生主催のパーティーが開催される等「BTTF」との共通項が多く、「BTTF」愛に満ちた作品だと思う。

ブラジル製作だから南国ノリの明るい感じをイメージしてしまうのだけれど、そこは違っていて、例えば主人公はビル・マーレイ風のかなり癖が強いキャラだし、ヒロインも結構パンキッシュで、サブカル色が強い。「BTTF」では'80年代のヴァン・ヘイレンと'50年代のチャック・ベリーを比較する事で、時代性を分かり易く描写していたのに対して、本作の'91年のシーンで使われている音楽はR.E.Mとレディオヘッド('91年だとまだデビューしていないはずだけど、、、)という、なかなかマニアックな選曲だったりする。

まあ、タイムスリップ物が好きな人なら概ね楽しめる内容だと思うけど、先に書いたようにマニアックなテイスト故に、ストーリーが分かり辛いのがやや残念な所(だから冒頭の比喩ではBTTFシリーズで一番難解な2に例えた)。そう考えると、「BTTF」の特に1作目って、アメリカ人だけじゃなく、世界中の人々が理解出来るような'80年代と'50年代の世界観を描く等、大衆映画としての基本構造が非常に優れていたから、長く愛されているのだろうと、今改めて思う。