yujishibasaki

オールド・ボーイのyujishibasakiのネタバレレビュー・内容・結末

オールド・ボーイ(2003年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

韓国映画にドップリはまっている近頃なのですが、この有名作を観たことがなく、今回初めて観ました。

催眠術を万能に扱っている感じ、悪い意味でマンガ臭さを感じてキツ…
一般的に言われる「予測不能の展開!」というのとは違った次元で予定調和的だし、その暴力的な内容云々とは全く別の意味で、かなりファシスト的。
ウジンが、そのまま物語内で全知の(矮小化された)神として配置させる行き方を徹底したことにより、観客も謎と復讐心を共有するわけだけど、もはや「完璧な」サスペンスを貫徹するために謎が謎のために存在し出すようなことになり始めて、やたらに説明的でかつ自家中毒状態的ドラマ運びになっている。この、正直言ってかなり男権主義的かつ都合主義的なドラマ運びは、すごくあの時代の日本の青年漫画的だし、観初めた頃には意識していなかった、原作があの(おれの苦手な)狩撫麻礼であるということをこれでもかと思い出すことになって、かなり冷めてしまった…。そうなってしまうと画がいくら魅力的でも、すべてが作者・話者の「意図」を前景に介して見えてきてしまい、結構ツラいものがありました。
でもこの辺りの感覚って、エンタメ系韓国映画一般に多かれ少なかれ通底するもののような気もするんだけど、それでも最高に好きな作品はもちろん沢山あるし…
もう少しこの問題については考えてみたい。
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