再見。高校生の頃見て、映画の持つパワーというか、画面の中の世界にのめり込んでゆく感覚を初めて実感できた作品。
人間のタブーに触れながら、魂の根っこをグラグラと揺らすようにエモーショナルでグロテスクなストーリーが駆け抜けていく。愛するって何なんだ、生きていくことって、時間って一体、人生の中で出会うあらゆるものたちの意味、「砂粒であれ、岩の塊であれ、水に沈むのは同じ」。
パクチャヌクの天才的演出力が光る。
カットのテンポ、間の取り方、音楽、色彩、どれを取っても最高。オープニング、監禁生活を映すシークエンス、デスが大勢のチンピラを相手にする横スクロールの長回し、ラストのウジンのシーンなんかはもう良すぎる。
ザラついた画面作り、パクチャヌクの叙情的な演出が、息の詰まるような壮絶なストーリーにガッチリハマっている。
個人的にはデヴィットフィンチャーっぽさ感じたな。
至高の一本。気合い入れて見直して良かったです。
"私は獣にも劣る人間ですが生きる権利はあるんじゃないでしょうか?"