こんなラストって無いよ
衝撃のラスト!とかそんな煽り文句を使うのは安っぽくて嫌なんだがこればっかりは言わせてほしい。衝撃のラストだ、こりゃ。
最初はまるでコメディのような軽さ。主人公のだらしない性格の描写が面白い。この後10年以上も監禁されるだなんて夢にも思っていないであろう馬鹿さ加減である。しかし人に悲劇が起こるのだとしたらそれは突然に、唐突にやって来るのだろう。
主人公のナレーションによって状況説明がなされる。コレがなんだか軽い。起こっている事態に対してナレーションの口振りが軽すぎるのでしんどく無く観ることができる。ただセリフが多過ぎると感じる人もいる居てもおかしくないかも。
観客側も主人公と同じレベルで何が起こっているのかわからないのが面白い。何で監禁されたのかまったくわからないし、途中に出てくる謎の男の正体も訳わからんし、違和感を感じるほどに親しげにしてくる女もわからん。この辺り訳がわからなくても主人公も訳分かってないのでまだ安心して見ても良いだろう。
全ての事実が明らかになるシーンはかなりキツイものがあった。正直、催眠術(詳細は伏せる)がオッケーなら何でもアリじゃね!?と思ってしまうし、謎の男の計画は少々難があると思う人も居るかもしれない。
しかしその謎の男の復讐方法がえげつないので他の事が気にならなくなる。ネタバレになるので詳しくは言えないが、監禁そのものは単なる序章でしか無かったのだな、と関心させられた。こんな復讐方法思いつくなんて脚本家はどんな脳内してるんだ、と正直なドン引いた。こんなラストで強烈な印象を残しているだけでも見る価値がある映画だろう。
※見る時は親の居ないところで見よう。