KANA

オールド・ボーイのKANAのレビュー・感想・評価

オールド・ボーイ(2003年製作の映画)
3.8

パク・チャヌクといえば『イノセント・ガーデン』が自分の中で結構好感触だったのだけど、肝心のこれを観損ねてて今更、今更やっと。

期待を裏切らないエグさ。
バイオレンス・グロテスク描写も音や血で煽るのでなく、誤魔化さない確実な生々しさがあってとにかく残忍。
生ダコを頬張るシーンもシュールどころでない強烈なインパクトを残す。
タランティーノが絶賛しただけある。
キューブリックにも観てほしかったw

観始めは何が何だかわからない。
わけもわからず長年監禁された主人公の目線で少しずつ情報取得。
このミステリーが面白い!

怒りや嫉妬や復讐心など、負の感情をどぎつく爆発させる描写はキム・ギドクに通じるものがあるけれど、官能シーンも含めこちらはカット繋ぎもニクいほどスタイリッシュに仕上がっててアートとしても秀逸に感じた。

そんな“見せ方”以上にやられた感というか衝撃的なのは終盤の展開。
こんなことってある!?😱
キツすぎるでしょ〜!
真実を知らせた後、あの時の録音テープを流すのは観てる側にとっても拷問。
そういえばあんな伏線、こんな伏線、あった!
なんだかヴィルヌーヴ監督の『灼熱の魂』を観た時の打ちのめされ方と似てる。

綺麗事とは真逆なこの手の韓国映画は容赦なくて、もう二度と観たくないって思わせる。
私にも大切な家族がいるし…
でも実際傑作だし、観てよかったと言わざるを得ない皮肉。
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