mura

最低。のmuraのレビュー・感想・評価

最低。(2017年製作の映画)
4.2
『8年越しの花嫁』とこの作品と、瀬々監督の作品が2つ同時に上映されているけど……振れ幅がデカいなと(笑)

かたや難病を乗りこえて夫婦になるっていう「美しい」話で、かたやAVに出演する女たちがそれでも前を向いて生きていくっていう「美しい」話で。

でも、僕が寄り添える「美しい」話はやっぱり後者なんよね(笑)

家族に嫌気がさして故郷を離れ、身体を安売りするようになんとなくAVに出演するアヤノ。夫に不満を抱き、また優等生と思われることに反発する思いもあってAVへの出演を決めるミホ。母親がAVに出演していたと噂され、まわりとの関係を閉ざして絵を描くことに没頭する高校生のアヤコ。鬱屈した思いを抱える3人の女を「AV」をキーワードに描いた話。

他人からレッテルを貼られることに苦しむ女たち。そのことで自らを「最低。」だと思いつめる。映画に描かれるこういった類の女にホント弱い。無性に応援したくなる。

低予算のように思えるが、登場する役者は微妙に豪華。映画ではよく見る俳優ばかり。瀬々監督だから集まるということもあるか。その豪華な俳優たちでピンク映画的なものを撮ったと考えると、贅沢な気分にもなるなと。

その点では、『ヘヴンズストーリー』のにおいもする。

『フィギュアなあなた』以来、佐々木心音のエロさには感服する。すぐそばにあるエロさというか…笑
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