とぽとぽ

この世に私の居場所なんてないのとぽとぽのレビュー・感想・評価

4.0
変なの。
I don't feel at home in this world anymore...このヘンテコなタイトルから思い浮かぶようなぼく好みのピュアネスな内容じゃなかったけど、そのクレイジーさと独特なテンポのコミカルさが良かった。『ブルー・リベンジ』の女性版的まさかの絶品で、とんでもないコメディ!なのに途中からシリアスさも残酷さも大きな割合を占め始め(好き嫌い分かれそう、、)、最後には目を見張るからジャンル分けなど無意味。予想外・規格外、色んな意味で安全地帯からはみ出してる厄介者、イカれてる。なかなか真似できるものじゃない。ZARDの「氷の上に立つように」の歌詞を思い出すくらい癖がすごいんじゃ~。どんどんストーリーが加速していくにつれグロさもパワーアップしていくので、エグい系への抗体が少しある人にはオススメ。ワンシーン毎に笑いをほしがってきて、不謹慎な老人との向き合い方も学べる。ぶちギレた一般女性が自分のための捜査に変わった自警団みたいなカンフー野郎と乗り出すというご近所トラブルの進化系で現代のアメリカ社会・郊外に住み着く闇を浮き彫りにはするが、社会風刺とは簡単には括れない。爆発しそうになったら、無理して我慢したりせず、ちょっとくらい自己中になってもいいかも?
インディーズ臭いプロットなのにちゃんと手堅く巧い演出(だからこそ終盤のチェイスシーンが活きる)、秀逸な脚本、割と綺麗な映像、エキセントリックな演技。異常事態に置かれて切れそうな普通の女性って感じで、しかもTシャツやらパーカーやらのちょいポチャ&マンブルコア系でそれがスゴく良かった。イライジャ・ウッドの絶対に関わったらヤバい隣人って感じの変人ぷりも最高。トニーみたいな映画とかドラマの中で見るこういう疎まれる・敬遠される奴("ウザい")って大体ロック聴いてて信仰心強いな。シュールな凸凹コンビの誕生。これが本当にフロドだった奴かよ。これからもご近所トラブルを解決する作品としてシリーズにしてほしかったなー。本作の中では警察は口ばかりで無能だから。皆はまだクソヤロウじゃないと信じたい、そうならないように世界をより良くしたい少しでも。あと、エンドロールで流れる曲がどれもいい、渋すぎ。
Everyone is an asshole.
「いや、これで完璧だかや」ニヤリ

勝手に関連作『ブルー・リベンジ』『ビッグ・リボウスキ』『アウト・オブ・サイト』『グリーン・ルーム』『アイムノットシリアルキラー』『フランシス・ハ』『BRICK』『ナイス・ガイズ』
TOMATOMETER89%、AUDIENCE77%
I don't feel at home in this world anymore.transcends its unwieldy title to offer timely, intoxicatingly dark observations on gender dynamics and social norms in modern America.
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