三樹夫

この世に私の居場所なんてないの三樹夫のレビュー・感想・評価

3.8
銃乱射事件、これを止める手立てはなしとニュースから流れ(とりあえず誰にでもホイホイ鉄砲売るというのを止めればいいんじゃないかな)、くたばりかけのババアにウダウダ言われるは、列を横取りされるは、さも当然のように小説のネタバレされるは、庭に犬の糞放置されるは、挙句に空き巣に入られ、仕舞いにはお前に落ち度があると寝言ほざかれて警察に説教される始末。この世はクソかと、我慢の限界に達して、ついに行動に移さざるを得ないという、ここら辺が、怒り爆発世直しムービーのフォーリング・ダウンを思い出させるところだが、フォーリング・ダウンの方は核爆発ぐらいの感情のぶつけようだったが、この映画は温度低い感じでオフビートに進んでいき、マヌケな人が結構出てきて所々笑いどころも挿入される。
この世がクソだと思うのは、そう思うお前に問題があるんだよみたいな、モラル振りかざす、目は節穴で脳みそはプリンでできてんのかって野郎がたまにいて困ったもんだが、この世には個人の力ではどうしようもないうんざりすることがあるのは厳然たる事実で、クソなこといっぱいあるけど、かすかな光に出会うというのがこの映画で、この世にはクソなことがいっぱいあるというのは最後まで否定しない。だが厭世観でどんよりというよりは、低カロリーであっさりしていて、それゆえに暴力シーンが際立つ。
三樹夫

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