とぽとぽ

バーバラと心の巨人のとぽとぽのレビュー・感想・評価

バーバラと心の巨人(2017年製作の映画)
3.5
"Something wrong with me"ーーーー『I KILL GIANTS』という原題から、インディ系良作使いがち"お洒落イエロー(&水色)"を全面に押し出したポスタービジュアルで口にするのも恥ずかしい邦題になった本作は心暖まり余韻の残る素敵なお話でした。言うなら『パンズラビリンス』や『となりのトトロ』の系譜に並ぶように、子供と成長を瑞々しい感性で彩られながら大人にも深く通用して刺さる懐の深さには気持ちいい意味で裏切られる。作品を引っ張る難しい役どころを見事に演じきったマディソン・ウルフの存在は言わずもがな、魅力的な巨人のビジュアルも相俟って非常に丁寧・丹念に内面のドラマが紡がれている印象で、かけがえのない"教え"をぼくたちに与えてくれる。けどそういう内向的純粋さと生きる上での繊細な問題に直面したときの乗り越え方・向き合い方についての作品だからこそ、"まんま"過ぎて安易な邦題は避けてほしかったのです。全容が見えたときの終盤が素敵すぎた、そしてタイタンいいやつ。"死"を主題に現実から目を背けないための"おとぎ話"。

TOMATOMETER79 AUDIENCE81
Critic Consensus: I Kill Giants' moody magical realism sometimes slips into the mundane, but impressive CGI and a powerhouse performance by Madison Wolfe pack an unexpected punch.
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