クリス・コロンバスが製作にクレジットされていたので鑑賞。
空想の世界で巨人と戦う少女、バーバラの物語。
J・A・バヨナの『怪物はささやく』など、コンスタントに映像化されている「現実のトラウマから逃れるべく、妄想の世界に逃げ込む子ども」を描いた今作。基本的な物語の筋にフレッシュさは無く、手垢の付きまくった話ではあるけれど、バーバラのヒネクレ度合が常軌を逸している点が出色。周りの人間に口答えする時の生意気さと小賢しさと言い、巨人の襲来を盲信する点と言い、「変人」としか映らなかった。
物語の凡庸さを、キャラクターの魅力で見事にカバーしている。これは巧い。
ただ、キャラクターの魅力以外は特筆すべき点が少なく(強いて挙げるなら、映像の美しさと、『怪物はささやく』よりも「巨人」の意味が明確なことぐらい)、映画全体としては「普通」といったところ。
積極的にオススメはしないけれど、気になる方はぜひ。