Aria

バーバラと心の巨人のAriaのレビュー・感想・評価

バーバラと心の巨人(2017年製作の映画)
5.0
めっっっっちゃ好き。

邦題について色々言われてますが、
『バーバラと心の巨人』はきちんと邦題の要素もあるし、どこに観点を置いたかでタイトルの好みが分かれるというだけ。

映画を観たら「邦題考えた人はこの部分に打たれたんだろうな」という察しはつく。

そしてタイトルでネタバレというほど核心もついてないし好き好きで良し!

個人的には『I KILL GIANT』の要素に
強く心を打たれたのでこちらが好み。

バーバラちゃんの闘いの物語であり
小さな身体と壊れかけの心で
巨大な敵に立ち向かう姿を見ると
I KILL GIANTの言葉に強い意志を感じる。

バーバラちゃんの周りもまた
それぞれ色んな問題を抱えていて

お姉ちゃんは厳しい仕事と
未熟な弟と妹の世話の板挟みになり
体力も精神もボロボロ。
一生懸命親代わりになろうとするけど
お姉ちゃん自身も不安でいっぱいだろうし
やりたい事が出来ないストレスも
相当なものだろうなと…。

弟はあまり描かれていないけれど
友達とゲームに熱中する姿や
姉と妹の口論を聞いて頭を抱える姿を
見ていると、不安や悲しみを吐き出せる
場所がないのかなと心を痛めました。






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以下ネタバレあります
ご注意ください。
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巨人はバーバラにとって正真正銘の敵
しかし、巨人は恐怖や不安そのもので
作中でも巨人は大切なものを全て奪っていくと話しています。

しかし巨人の目的は母親を奪うことではなく
不安や恐怖から目をそらしたいという
心のどこかでバーバラが思っていることを
叶えるため、バーバラを(現実逃避の先へ)連れ去る事が目的だった。心が壊れるのを止めるための一種の自己防衛。

しかし何が泣けるって
巨人がバーバラのことを大切に想っていること。巨人は生みの親ともいえるバーバラを見守るような様子で、優しく頷く。

巨人は倒さなきゃいけない存在ではなく
認め、向き合わなきゃいけない存在。

巨人から教えられたのは大切な人の最期。
がむしゃらにハンマーを振るう姿は
成長の一歩を踏み出そうともがく姿であり
また、「最後のわがまま」のようにも見えた。
Aria

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