ぺんじん

バーバラと心の巨人のぺんじんのレビュー・感想・評価

バーバラと心の巨人(2017年製作の映画)
3.7
原題 “I kill Giants”に比べて、邦題のネタバレ感!まぁ、ポスターもそうだけど、日本側の方がストーリーとギャップは少ないんだけどね。
ウサ耳を付けた孤独な女の子が自分だけに見えるおどろおどろしい巨人と戦う話なんだけど、直接巨人と戦うというよりは囮や罠を張りまくるだけなのでかなり地味。
女の子も妄想癖があるのかなと思いきや、結構ヤンキーっぽい集団に一人で立ち向かったり、授業を無断でサボったりするのでかなりパンキッシュ!美しい海辺の風景に異臭を放つ巨人の囮用の餌とかがあったり、自分たちの血で友達と契りを結んだりする部分は作品のトーンと比べてかなり尖ってて結構面白かった。
まぁ全体的に見るともうちょっと偏った部分が観たかったなぁという気もする。女の子だけに見える巨人なんだから、もっと巨人と前半からバチバチと戦っても良かったし、女の子の妄想や感情が爆発するシーンもあっても良かったんじゃないかなぁ。彼女の家族を描いたシーンもちょっと中途半端かなという気がする。
それでも少女の葛藤の意味が分かるシーン、そしてそれに向き合おうとするシーンにはジーンと来てしまった…あとラジカセから流れてくるフィリーズの試合中継って、そういう意味なのか!
同じようなテーマを持った作品としては『怪物はささやく』の方が僕は好きだけど、こちらも悪くはなかったと思う。女の子がパンキッシュな分、もうちょっとハッとするアクションが観たかったけどね。
それにしてもゾーイ・サルダナは落ち着いた役も素敵!というかもはや聖母!
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