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ゆれる人魚のJのレビュー・感想・評価

ゆれる人魚(2015年製作の映画)
4.8
・物語★★★★★
・配役★★★★★
・演出★★★★
・映像★★★★★
・音楽★★★★★

アンデルセン童話の既定路線を覆すことなく、ダークでエロティックなスパイスでオトナの味に仕立てた“現代版・人魚姫”🧜‍♀️


『BABY DRIVER』が“カーチェイス版『ラ・ラ・ランド』🏎”なら、こちらは“ホラー・ファンタジー版『ラ・ラ・ランド』☠️”!

カラフルな衣装とポップなダンスが似合うエレクトロ・ミュージックがあったかと思えば、ゴリゴリのパンク・ロックでヘドバンをキメてくる!🎸
さらには、美しくメロディアスなバラードで観客の耳とハートを虜にするのだ🎹


“♫私たちを岸に上げて
怖がる必要はないわ
決してあなたを
食べたりなんかしない…♫”

高音低音のハモリで魅了する肉食人魚姉妹🧜‍♀️🧜‍♀️をはじめ、姉妹が狂気に奔るキッカケとなるイケメン・ベーシスト🎸など、東欧の端正なルックスのキャストも魅力。


加えて特筆すべきは、狡猾なまでに観客を虜にする甘美な映像演出だ。

おとぎ話のダークな世界を、そのまま絵に描いたようなオープニング・アニメーション💀

毒気を醸しつつもハイセンスなファッションが彩る鮮やかな官能世界👗

さらには、エログロを通り越して芸術的にすら見えてくる視覚的凶器の数々…🤤
ピンクの乳首や穴のない局部は、この際許そう。
ヌメヌメの尾ひれに刻まれた切れ目もまだ良い🐟
だが、“ウロコ・ピック”の自己犠牲的かつ芸術的な発想は、ズルいまでに秀逸だ!🎸


ポーランド原題は『Corki dancingu(ダンシングの娘たち)』💃💃
英題『The Lure』は、人魚たちの誘惑、そして劇中バンド名とのダブル・ミーニングだろう。
そして邦題『ゆれる人魚』は、切なくも人間になることを願った人魚の、アイデンティティの儚さを表していることは言うまでもない。

決して王道ではないが、心に深い切なさを残す、ミュージカル・ムービーの新たな1ページと言えるだろう✨

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劇場用パンフ★★★★
全26ページ。
惜しげもなく曝け出す豊富な劇中カットが嬉しい。
監督インタビューでは、共産主義政権下の東欧圏における“ダンシング・レストラン”の文化も知ることができる。
当初は人魚映画ではなく、作詞作曲を手がけたヴロンスキ姉妹の自伝的作品になるはずだったという裏話も興味深い。