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ゆれる人魚のmistyのレビュー・感想・評価

ゆれる人魚(2015年製作の映画)
3.7
狂乱と酩酊のサイケデリックアンデルセン。オープニングからとても可愛くて、鮮烈。人魚の姉妹ふたりが人間と出会い、恋をしたり食べたり歌ったり踊ったり。台詞を音楽に乗せているというよりも、音楽はそれぞれ独立しているので、ミュージカルというよりストーリー性がある長いPVて感じ。

人魚のビジュアルが思ってたより魚!でちょっと驚いたていうか尻尾かなり長い あれが人間の足になったらそれなりの身長におさまってしまうのだと思うとなんか面白い。姉妹ふたり、あんまり似てないところが逆に姉妹っぽいな〜というか、妹の魅力的な視線と声よ!そして姉の恋する少女の眼差しよ…!

ただ、尺が短かったからかもしれないけど姉妹のカニバリズムにそこまで必然性が感じられなくて、要るのかねえこの設定…と思ってたら後半でいきなりアンデルセン持ち出して来られてああそういうこと…みたいな、脈絡がないのと設定もなかなか迷子。キャラクター深掘りも間に合ってない感はあった。

でもテレパシーで会話ができちゃう姉妹とか(そのときに鳴るSEとか)すごいサイケでときめいちゃったり、それだけでなく要所要所でときめくシーンがあるんだ…「この鱗でベースを弾いて」ってすごい愛の告白だし、ラストの別れのシーンも姉妹ふたりとも素晴らしい表情で、切なさと悲しみに胸を打たれる。

音楽はどれもよかった。妹の方が歌う「こんな孤独は久しぶり、あなたもみんなも悲しんでいるから」って歌詞の歌とても好きだった。

要所要所で、ブラックスワンリスペクトかな?と思うシーンもいくつかお見受けしました すごい個人的な感覚だけど。

そして個人的に注目すべきはこのバックバンドのベースのお兄さん、マジで、ト、トムアットザファームのグザヴィエ・ドランじゃないですか?!?!初登場から動揺が止まらなくてドラン…ドランがいる…みたいな、エッかっこいいんだけど…今までどこに隠れてたの…と目が離せない彼だったわけです!ステキ!好きになるよ!ヤーコブ・ジャルシェルさん💕
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