るる

ゆれる人魚のるるのネタバレレビュー・内容・結末

ゆれる人魚(2015年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

2019.4.17.追記
WOWOWオンデマンド版、穴がない、まるでバービー人形だ、つってんのにモザイクかかってんのどういうこと、なにしてんの…あの、フツウの人間の女とは違う、特異性を、見せられないものとして処理してしまうなんて、翻って人間の女の身体のことをどう考えてんだって話に繋がってこないか、思考停止では…? でも、DVD買おうって気になるからいいのかな…そういう媒体の棲み分けは肯定したいので…しかし、配信時代なあ…

思ったよりミュージカルだった、全編歌で推進、でもその歌詞はどこまでもポップで、物語る歌というよりミュージックビデオっぽく。エレクトロポップ、シンセポップ…あれだ、シティポップを連想。四曲目かな、ショッピングモール、I CAME THE CITY が映像と合わせて好きだった、こういう映画は一曲でも好きな曲があれば満足してしまう。船上の結婚式、THE HOUSEFLY 3も好み。

人魚の尻尾、美しさよりも、ただただ、だらりと長い、不恰好な魚の尾で。画面から伝わってくるぬめり、なんとも奇妙で気色悪くて。

なんのメタファーか、と考察する必要がないくらい、いろいろそのまんまな気もしつつ。官能とグロテスク、ビジュアルと音楽から『ネオンデーモン』を連想したけど、こっちのほうがわかりやすいかも。いや題材が違うし、比べるものでもないか。

現代の人魚姫の物語。恋に破れた女の子の物語。

人魚の歌声、私たちを岸に上げて、決してあなたたちを食べたりないわ、招かれなければ陸へ上がれない、吸血鬼のよう、
魚臭い、
ストリップバー、穴がどこにもない下半身、バービー人形のような身体、水を垂らすと人魚に、
陸上で息も絶え絶えの人魚、夜のプールへ、
ショッピングカートに乗って、エスカレーターに乗って、靴を選んで、ランウェイのように歩いて、街を闊歩して、エレベーターに乗って、ランウェイのように歩く、風を切る長い髪、くるくる回る、裸足の白い足、
人魚語、響き合って会話、ステージでは本気で歌っちゃダメ、
バンド、デュエット、見世物、
水槽、水洗トイレ、バスタブ、
バーで獲物を見繕う人魚、
初めてのタバコ、それはいけないね、人間になりたいんだろ、
車内で男を喰らい地面を這いずり水中へ、
僕にとって君は魚なんだ、鱗を剥がしてプレゼント、これでベースを弾いて、初めてのキス、
セッション、ダンス、
ニシンを食うか? 血が滴る妹の唇、
悪魔、漁師に一方の角を折られもう一方の角は自分で引き抜いた、リヴァイアサン、姉から目を離すな、恋した男が他の女と結婚すると泡になって消えてしまう、
睦みあう女たち、娘を抱く母、魚臭い、
ニュース、殺人事件の発覚、獣の唸り声、姉妹喧嘩、人魚の死体、川へ投げ込み証拠隠滅、嘔吐、
人間たちの殺し合い、クッションから舞い上がる羽毛、舞い散る雪、
蘇生、男たちを貪り食らう少女たち、点滴、夜明け、いつも通り、
雷雨、謝罪のキス、親指を噛みちぎる、嘔吐、ショットグラスを飲み干す、タバコ、
手術して人間になるの、あなたに尻尾をあげる、
氷を敷いた手術台、水揚げされた人魚、腰から下を切断、人間の足と交換、
車椅子に乗った人魚、ウォーキングマシンで訓練、セックスを試みるも腹の傷から血、
歌えなくなった人魚のシルバー、ソロは嫌だと断るゴールデン、
プラチナブロンドの王子の浮気、ポケットから捨てられ排水口から流れる鱗、
船上の結婚式、夜明けまでにあの男を食え、俺たちにとってこれは休暇だ、
松葉杖の人魚、
牙、愛しい男の首筋を噛めず、朝日の中で泡になって消えていく姉、姉の仇、男の首の肉を噛みちぎって、水中へ飛び込む妹、

…流血はキツかったけど、イメージの連鎖が楽しかった。泡、思った以上に石鹸の泡で苦笑してしまったけども。エンドロールまでがっつり歌で、休まらなかったけども。見て良かった。
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