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赤線地帯のwantaroのレビュー・感想・評価

赤線地帯(1956年製作の映画)
3.5
こんなに昔の映画なのに、今の「夜の女たち(性産業、水商売全部くるめて)」とほとんど変わらない、売り物な女性たち。
当時の方が色んな事情がそれぞれにあり、必死感がすごい。派手で色っぽい売り物の顔と、生活感に溢れる本当の顔の対比がおもしろい。自分で「恥ずかしい仕事」みたいに言い切っちゃうあたりも、すごく切ないよね。買う側はあんなに偉そうなのにさ。
大昔から成り立ってる商売を、あっさり売春規制されたってねぇ。ねぇ、困っちまうよねぇ。しかも家族や息子にまでそっぽを向かれちゃねぇ、やっていけないよ。
ラストシーンがまた切ないよね。新たに搾取される若い子が、手招きもどきをする。見ているだけで胸が痛い。これから彼女を蝕んでいく人生を思いながら、映画は終わるのです。

しみじみしちゃうね。

音楽だけ浮いててまた不穏だよw
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