てんやもん太郎

赤線地帯のてんやもん太郎のレビュー・感想・評価

赤線地帯(1956年製作の映画)
4.0
か、か、哀しい。
とにかく哀しい。
苦しみばかり。
どう凌いでいくか。
いや、どう我慢していくかみたいな。
幽霊が出てくるような不安なBGMが更にその雰囲気を煽る。

ニコニコ堂、十朱久雄はさすが!
少しの出番でちゃんと仕事するなー。

僕はしたたかな溢れる生命力みたいな、哀しみにも明るさがある廓話が好きなのかな。
この作品にはそれがあまりない。
ラストもだれの将来も明るくない匂いがプンプン。
若尾文子の役だけうまくいきそうな気がしたけれど。
でも赤線廃止で共倒れなのかな。

だから内容的には全く好みじゃない。
しかし、何故か見ていて全く飽きない。
一見飽きそうな感じなのに。。
場面転換が早いのかな。
うまく言えないけど、なんかとてつもなく何かが、スムーズな気がする。
初めて溝口監督を観たけどもっともっとみたい。
これが遺作なのか。