くわまんG

赤線地帯のくわまんGのレビュー・感想・評価

赤線地帯(1956年製作の映画)
4.0
時代背景は凄惨だし、物語にも救いは無いのに、この生き生きとしたやりとりはどうですか!心がスレてなくて、あらゆる感情がストレートなんですねぇ。

みどころ:
京マチコと若尾文子
折れちまう男と折れやしない女
聴き心地いい日本語の応酬
全く無駄のない展開

あらすじ:
ここは吉原赤線地帯
夢にまで見る「夢の里」
五感惑わせ骨まで抜いて
アッチの世界へさあどうぞ
快楽案内任せとくれよ
あの手この手で一丁あがり
…ざけんじゃないよ野郎ども
好きで春など売るもんか
ウチらにゃ欲しいもんがある
旦那だ息子だぬくもりだ
百々のつまりは金なのさ
つべこべ言わずに○きに来な

ミッキーと父、ハナエと夫、ゆめ子と息子、やすみとカモ達。すぐに折れて使い物にならなくなる男と、折れないからどこまでも歪んでしまう女。情けない男とだらしない女、抱えてるのが同じ悲しみでも、全く異質なのが面白いじゃないですか。

どこまでも一緒に居てくれる優しさの裏に、必ず置き場の無い悲しさを内包している、素晴らしき哉、○ッ○。改めて、感謝して入店しなきゃいけないなと思いましたです。