映画自体は、残念ながら、ミステリー性もサスペンス性もあまり感じない。大体、警察が出てこないのには、びっくり。犯人逮捕が目的ではないということ。
もうずっと前に読んで忘れかけていた太宰治や夏目漱石の本のことが呼び覚まされ、生き様を知るきかっけになった。
特に、太宰治が「晩年」の献辞に書いた
「自信モテ生キヨ 生キトシ生ケルモノ スベテ コレ 罪ノ子ナレバ」。
そして、これこそがこの映画のテーマで、ミステリーでもなく、サスペンスでもなく人間の業なのだと思う。
仕事柄、いろんな人の人生を見てきて、また、自分の業の深さも知っている自分としては、期待していたものとは違っていたものの、十分満足いく映画だった。
主演の黒木華さんは期待どおりの演技だし、野村周平クンは可愛いく憎めないキャラを演じていた。成田凌クンは声が良いし、誠実そうな若者と固執する若者の二面性をしっかり演じていた。
夏帆さんは最近いろんな演技ができて、艶っぽくなってきた。東出昌大さんも、いろいろな役のバリエーションがあってすごいなぁと感じる。
野村周平クン演じる五浦大輔と成田凌クン演じる稲垣との不思議な繋がりがわかる。でも、自分は、「こういうことって、現実にもある」って思っている。
