順慶

ビブリア古書堂の事件手帖の順慶のレビュー・感想・評価

ビブリア古書堂の事件手帖(2018年製作の映画)
3.5
ドラマの剛力彩芽の栞子も良かったけど、黒木華の栞子も良かった。
バカっぽくて無駄に正義感が強い野村周平も悪くない。
昭和顔の東出昌大は、やっぱり昭和の役がよく似合う。そして夏帆はかわいい。
総じて役者はその役にはまっていた。

50年前の過去の恋物語は、古臭さがちょうどいい。古い文学の香りがする。そしてまた東出昌大が、女を狂わす(「寝ても覚めても」を思い出した)。

この50年前のストーリーと現代の事件をリンクさせる脚本は、よくできていると思った。
2冊の本「それから」と「晩年」も独立せず、ひとつのストーリーでちゃんと活きている。
本にまつわる人間の想い。失って感じる恋もいい。でもミステリーのアプローチは、イマイチ。

気になる点がいくつかあって、すっきりしない。
犯人がわかりやすいは、いいとしても、五浦が「晩年」を持って帰る理由は、あったのだろうか? そして本棚にあるわざとらしいクサビ。一番高価な本を問われ、妹の「ばん、ばん?」って、「晩年」ぐらい覚えとけよ、とか。

でも、成瀬凌のイッた目をした原付の運転は、笑えた。

ともかく、文学部卒なので、こういう作品は、好きなんです。
順慶

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