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パパのお弁当は世界一の小のレビュー・感想・評価

パパのお弁当は世界一(2017年製作の映画)
4.1
2016年12月8日、高校生活最後のお弁当の日、女の子が1つのツイートした。そこには、その日パパが作ってくれたお弁当、パパからのメッセージ、パパが一番初めに作ったお弁当の写真があり、3年間、毎日お弁当を作ってくれたパパへの感謝の気持ちが綴られていた。
(https://twitter.com/pikatiro3)

このツイートに8万人がリツイート、26万人がいいねをした。そして、2017年6月、映画になった。何故映画になったのか、わかる気がする。このたった1ツイートそのものが映画。3年間いろいろあったであろう父と娘の関係が頭の中に浮かび、父親の娘を愛しむ気持ち、娘の父親への感謝・大好きの気持ちがありありと伝わってくる。

もうね現時点で女子高生の一人娘を持つ私にとってドストライクな話で、ツイートを見ただけで涙腺がヤバいわけですよ。これが映画となると、自分の妄想的感動とすれ違う懸念があるけれど、初日舞台挨拶付きの回を申し込んだら運良く当たり観てきた。

でどうだったかというと、すれ違うことはなかったけれど、妄想の範囲内だったかな。多少の脚色はあるけれど、大きく膨らませてはいないから、ツイートを見たときの感動は超えなかった。

お弁当作りはじめのパパの失敗と奮闘ぶりは笑えるし、娘の気持ちを慮るパパの姿に自分を重ねてグッときた。映画的なラストにパパ、幸せだなあ、と。

よく確認していないけれど、この映画は片平里菜さんが歌う主題歌『名前』のプロモーションが主で製作された感じ。製作期間が短いのはそのせいかもしれない。

監督さんは音楽のPVとかMVを製作している方で、主演のお父さんを演じたのは「TOKYO No.1 SOUL SET」の渡辺俊美さん。個人的には猪苗代湖ズのギタリストとして記憶している。

ちなみに、片平さん、渡辺さんに加え、高校生の娘役の武田玲奈さんも福島県出身ということで、片平さんを応援するかのようなキャスティング。

渡辺さんは前妻の息子さんが高校生の時、やはり3年間お弁当を作り続け、エッセイ「461個の弁当は、親父と息子の男の約束。」を出版したくらいだから、お弁当作りはガチで上手い。

舞台挨拶では、フカツマサカズ監督、脚本の大野敏嗣さん、渡辺さん、武田さん、彼氏役の清原翔さんのほか、片平さんも登壇し『名前』の生歌フルコーラスも聴けた。この歌詞がまた今の自分の心を刺さるんだよね~。

さらに、映画のモデルとなった大津時一さん、みどりさん親子も登壇し、感極まった時一さんの涙に、こっちも涙せざるを得ないでしょ、みたいな。時一さんの「(思いは子どもに)絶対届いています」の言葉に、とても勇気づけられた。

ということで、いろいろ付加価値が付いたせいもあって、自分的にはとても良かった。人によっては琴線に大きく触れること間違いなしですが、そうでない方はそれなりに、かな。

現時点で上映館はヒューマントラストシネマ渋谷だけ。期間はわずか1週間で、1日1回。もう少し機会があっても良いと思うけれど…。

●物語(50%×3.5):1.75
・等身大の感動物語。

●演技、演出(30%×3.5):1.05
・お弁当作り上手い。お弁当が美味しそう。はじめは凄い。

●映像、音、音楽(20%×4.0):0.8
・主題歌が思いのほか響いた。

●お好み加点:+0.5
・主題歌の生歌:+0.2
 モデル親子登壇:+0.2
 舞台挨拶当日の午前7時、渡辺さん息子さんが誕生:+0.1
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