このレビューはネタバレを含みます
視聴後にドッと疲れるのがわかっててもついつい観てしまう深海モノ。
深海は何かあれば即死に繋がる恐ろしい環境だがここを舞台に映画を作ると非常にスリリングで見応えのある作品になるパターンが多いので個人的には好きなジャンルのひとつだ。
本作もそんな素晴らしい作品の一つ。
1万メートルを越す深海に造られた油田採掘会社の研究施設が未曾有の大地震に襲われ致命的な損害を受ける。
施設を放棄してなんとか脱出しようと奮戦する従業員たちだったが極限状態のはずの深海に何かの気配を感じるのだった…
減りゆく酸素、光も届かぬ深淵、崩落する建造物、そして殺意を持って襲い来る未知の生物…
ヘルメットにヒビがひとつ入っただけでたちどころに押し潰されてしまう恐ろしい深海の描写は見事で95分という短い尺ではあるがオープニング明けからすぐに災禍に見舞われ以降常に緊迫感のあるシーンが続く極上のスリラー映画になっているので怖い思いをしたい方にオススメ。
ながら観はやめて、じっくり腰を据えて恐怖を味わいましょう。
後半はまさかのクトゥルフモノであったことが明かされVFXの発達した今だからできる絶妙な魅せ方とCGを駆使した巨大な邪神様を拝むことができます。いや怖すぎ。。
恐怖演出もなかなか凝っていたように思う。
最後は少し悲しいし事件の顛末がモヤるけどコンパクトな尺でキッチリ楽しませてくれる良作で満足！
ラストの『サンシャイン2057』を思わせるシーンはいいね。
メインキャストもクリステン・スチュワートやヴァンサン・カッセルと大物を呼び個人的に好きなT.J・ミラーもいてみんないい演技で盛り上げてくれるのだがコロナ禍で興行収入がイマイチになってしまったのはもったいない。。
