赤線地帯の作品情報・感想・評価

「赤線地帯」に投稿された感想・評価

ngsm

ngsmの感想・評価

4.0
溝口健二&増村保造映画祭

搾取される側の女性がたくさん出てくる中で賢く生きてく若尾文子がクール
めちゃくちゃ哀しい話だけど、ちょっと笑える所もある
溝口がドキュメンタリーに接近してる…これは凄い…。たぶん、あと五本ぐらい撮ったらこのスタイルが極まったんだろけど、残念。女たちの個性を示したプレゼント、それぞれが色々な男がらみの問題を抱える。階段を降りてくる若尾文子がここを支配してる。橋の先を渡ってしまうともう帰ってこられない、発狂。
溝口健二の遺作らしい。
「戦後」という時代が終わるということはつまり、新しいとされている流れというやつがその端境期のものを押し流していくだけのことだという無常感。

戦前からある売春宿で世間から不浄の目で見られる女たちには当然ながら個々の事情がある。
そもそもがここでしか生きられないからこそ、ここにいるのだということ。
そしてその場さえも取り上げられてしまうのが、時代が新しくなるということ。

親子の情も。
客と商売の関係も。
男と女の関係も。

上手くやったものが上手くいき。
金とどれだけ割り切れたかがモノを言う。

これが戦前と戦後の大きな違いで、戦後から始まった今に至る僕らの時代の根っこである。
よかった。
最後のシーンがもう、すごい。これからも続くんだなと。なにも語らない説得力。すごいー。

とゆか、若尾文子の祇園囃子からの成長が半端ない。あんなにくるくる快活な可愛い少女が、こんな色気と強さがある女性になるなんて。。演技がすごい。。だれかわからなかった。。

溝口健二の女性の描き方が本当にすき。色気あって、愛おしくて、強くて。女の人を描くのが本当に上手。観てて心地よくなる。
かっこいい!!
画面の構図最高だし、娘たちが誰も幸せになってないのも物語に誠実で良い。
赤線の情景がめちゃめちゃ良い。
TICTAC

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4.5
『赤線地帯』(1956)

世界の溝口健二。監督の遺作。売春防止法案(1958年施行)が国会で審議されている最中の時代性を反映した、ダークで不安定な雰囲気に包まれた映画。ただ、ユーモアも決して排除されていない。店名となっている「夢の里」が皮肉。ラストの余韻も独特な音楽と相まって非常に薄気味悪い。戦後10年、お国の意識が今日より強い気がする。貧困、就職難、女性の社会進出。現代に生きる私たちにも無視できない問題が浮かび上がる。しかしまあ、女の人は強いな。日本の映画をもっと観よう。
NUZOO

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3.9
面白い。

働いている娼婦たちのキャラの振り分けが上手い。
それぞれのストーリーがちゃんと描かれて、この仕事に依存して生きている人たちの悲哀と生きがいが一面的でなく多様なかたちで浮かび上がるのが良かった。

「夢の里」の主の「俺たちは政治の目のとどかないところを補ってるんだ」っていうセリフが2度、言い方は同じなのに、違った見え方で出てくるところは嫌な後味を残すいいシーンだった。

破滅を予感するクライマックス、それを少し外すようなしたたかな後日談、もう戻れない道を予感させて怖く終わるオチなど最後まで面白い。
……若尾文子と京マチ子の格好良さよ!!!!!女ですが惚れました。めちゃくちゃ格好いい。
戦後、合法的に存在した吉原の赤線地帯と、そこで生きる女たちの群像劇。
音楽がウルトラQみたいで時代を感じます。が、それがとてもマッチ。
大きなオチはないけれど、それがとてもよかった。女たちの人生は、今後も終わることなく続いていく感じが来ました。
ゆめ子ちゃん、可哀想だったな……
うさぎ

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3.5
音楽が前衛的過ぎてついてけなかったけど一番最後のシーンの為だけに使ってるとしたら納得
TaroFujino

TaroFujinoの感想・評価

3.5
戦後しばらくの間合法的に存在した赤線地帯を描写した映画。

今では感じられないその時代の雰囲気を感じることができる。それは明るい赤線地帯とその裏にあるそこで勤める人間と、その子供との関係性もしかり。

この映画を見てからちくま文庫の『赤線跡を歩く-消えゆく夢の街を訪ねて』を読んだ。今も部分的に残る当時の建築物の跡を本で、そして現地で見ながら、その当時の活気と葛藤に想いを馳せた。
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