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Ryuichi Sakamoto: CODAのtomひでのレビュー・感想・評価

Ryuichi Sakamoto: CODA(2017年製作の映画)
4.0
素晴らしいドキュメンタリーだった。坂本龍一側に寄りすぎず、離れすぎず絶妙の距離感で撮られている。画面からその感じがとても伝わってくるので何気ない日常の画も全く退屈しないで見る事が出来る。

オープニングの原発再稼働反対の国会前デモに坂本龍一が参加している映像は色んな意味でとても考えさせられた。坂本龍一の過去作の振り返りなども当時の映像や映画作品を使って分かりやすく作られている。

坂本龍一の考える自然な音の定義、津波を受けたピアノを例に解説しているのも興味深く聞いた。アルバム「async」のタルコフスキー映画へのアプローチ解説も面白いし、映画『シェルタリングスカイ』のレコーディングでのエピソード、ベルトルッチの「エンリオモリコーネはすぐやってくれたよ」には笑った。

沢山の情報が詰まったドキュメントなので何度も繰り返して見られる完成度の高い映画作品になっている。

「私の知る限り最も純粋な音です」
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