きゅうげん

アトミック・ブロンドのきゅうげんのネタバレレビュー・内容・結末

アトミック・ブロンド(2017年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

『ジョン・ウィック』と並走して作られたスパイ映画。
タフネスさを体得し新たな黄金期を迎えた主演のシャーリーズ・セロンと、アクション映画の新時代を築いた監督デヴィッド・リーチ。
メインキャラからチョイ役まで、なかなか豪華すぎます。
(そしてやっぱり中ボスは、みんなだいすきダニエル・バーンハード)

壮絶で圧巻なスパイ・アクションではありますが(とくに後半のワンカット風バトルシーンはスゴい)、しかし「スパイ天国ベルリンに各国の凄腕諜報員が集結!」という勢力図が煩雑で、スパイ・サスペンスとしては鋭さに欠けるものが。
二重三重に裏切り裏切られ……というお約束こそあれど、ロレーンの仕事・パーシヴァルの暗躍・KGBの動向など具体的な詳細はボンヤリ。スパイグラスとの接触やラサールの尾行なども、ミスリードや伏線たりえない描写にとどまっています。
終盤のどんでん返しも、手のひら返しの後出しジャンケンでショッキングさは薄め。
もうちょっとリアリスティックな裏世界史感があれば、緊張感が生まれたかも?

てかやっぱ、トビー・ジョーンズが“モグラ叩き”にあたふたするポンコツMI6像は世界の共通認識なんですね。