「誰も信じるな」
予告編から想像した、血生臭いアクションバリバリのスパイ映画というイメージとは裏腹に、冷戦だ、MI6だ、CIAだ、二重スパイだ、ナンダカンダと意外とめんどくさそう?
いやいや、そんなことはないですよ。あたま空っぽにしても楽しめますよ。そんな許しをもらいつつ。
話のキモは「二重スパイが誰か」なわけですが、観客が推理するほどの価値はそこにはなさそうなので、80年代の音楽と幻想的なエロティシズム、そして力強くアクションするロレーン(シャーリーズ・セロン)を楽しめばいいのでした。
ちゃんと推理すると簡単で、しっかり観ていないと誰が誰だか…というなかなか難しいバランス感覚。
ワンカット風の撮影で屈強な男たちをバッタバッタとなぎ倒す…というには程遠く、あまりにも泥臭い闘いが繰り広げられます。
そこらに落ちている道具をぶん投げたりぶっ刺したり、音楽にのせたスタイリッシュなアクションから徐々に脱していきました。
両者ボロボロヘロヘロ。でもこれはこれでいいですね。
音楽にのせた…とはいいつつ、ただのBGMでしかないので『ベイビー・ドライバー』などを観たあとでは物足りなさも感じますが…。
残念なのは会話シーンが退屈で眠くなってしまうこと。
事情聴取のシーンはもとより、パーシヴァル(ジェームズ・マカヴォイ)とのシーンも会話主体なところが多くてちょっともったいないなぁと思いました。
100分程度に抑えて背景説明などはうまいことダイジェストでわかりやすくポンポンポンとやってほしいところでしたね…。
続けて観た『バリー・シール』がテンポよかっただけに、よけいに鈍重に感じました。
いや、これはシリアス路線だから難しいのかなぁ。しょうがないか。
あ、高校生2人組と思しき男の子たちがひとつ前にいたのですが、シャーリーズ・セロンのちっぱいを見てフッと笑っていました。
君たち何を期待していたんだね…。