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アトミック・ブロンドのマーチのレビュー・感想・評価

アトミック・ブロンド(2017年製作の映画)
3.8
やべー、ついに明日『Stranger Things 2』が
配信開始だぁぁぁああ!!
高まってきた…笑
(あっ、勿論ブレランも楽しみですよ!笑)

あと最近は今年の劇場鑑賞締め作品を何にするか考えています! 無難に何度目かの鑑賞になるであろうSW8で2017年を締めくくるのか、ハッピーな気持ちで新年を迎えるためにジャッキー×インド🇮🇳の『カンフー・ヨガ』で締めくくるのか…今はこの二択ですね。笑

皆さんはそういうの決めてますか?
今年の劇場鑑賞締め作品をどうするのか…


【レビュー】

《Killer Queen》

えー、正直に申しますと…全体の最初1/3くらいは目紛しく切り替わる映像とガンガン流れる音楽にどこか違和を感じて乗り切れないでいたので、「どうしよう…これマジでつまらないまま終わってしまう可能性もあるぞ…」と心配して眠気すら襲ってくるのではないかと危惧していたのですが、西ベルリンへ渡ろうとする前準備段階から超絶面白くなり、その後も面白さがグングン右肩上がりで伸び続けた結果、乾いた冷たさ続きの内容がカタルシスすら感じる温和なラストへと導かれていました。

『ジョン・ウィック』シリーズは物語そっちのけでアクションを楽しむシリーズな訳で、アクションの為にストーリーがあると言っても過言ではないと思うのですが、今回は(意外にも?)ストーリー自体がしっかりしていて、その必然性の中で矢継ぎ早に繰り出れるアクションが凄まじいので、いいバランスの作品だなと感じました。

“アクション”という言葉はリーチ監督の為にあるのではないかと思えるほどアクションパートは今回も秀逸で、昨今の早回しや加工施しオンパレードの擬似アクションとは一線を画した肉弾アクションの真髄が感じられる正真正銘嘘偽りない本物のアクションがそこにはありました。ハリウッドのアクション界を底上げしたリーチ監督の高い経験値によるアクションの映し出し方が何処か新しく感じられるほどアクション革命に満ちており、キアヌと同じジムでトレーニングし、ガチで歯が折れたりするほどアクションと正面から向き合ったシャーリーズ・セロンによる好演が、無敵のオーラすら放っていて圧巻でした!

特に7分半にも及ぶノーカット(?)ワンカメ(?)アクションは必見で、通常ならカットされるであろうアクション間の息遣いや、本気で格闘しているからこそ自然と漏れ出る力を食いしばる時の演技ではない素の声や息がバッチリ本編で使われており、ある意味少し人間らしさや弱さみたいなものを滲ませてアクションを見せることがリーチ監督の手法なのではないかと思います。その手法による実録風映像が7分半展開されたことが衝撃で、その7分半の後にスタンディングオベーションを決行してやろうかと思ったほど高揚し、感動していました…今だにこんなアクションの見せ方があるのかと。

「どうしたんだよ、デヴィッド・リーチ!しっかり練られたストーリーじゃないかよ!!笑」と鑑賞後思わず口にしてしまうほど、今回のリーチはストーリーにも比重を置いていて、騙し騙される展開が最初こそ色々な用語が出てきて退屈に感じるものの、時間が経つ毎に深みが感じられ、ラストの展開には感動すらしてしまいます。ただそれだけじゃないのが今作もといリーチ作品の面白いところで、驚いたことに“今回も”ストーリー無視でアクションだけ集中して観ていれば一定の満足度が享受されるリーチ十八番の構造をしているので、難しそうという理由で今作を劇場スルーするのは尚早な決断だと思いますよ!! 観てるだけでただただ面白いので!笑

監督自身ネオンノワールだと称する今作の美術的アプローチは芸が細かくて、80'sコスチュームや絶え間無く流れ続けるデヴィッド・ボウイ、ニューオーダー他のヒット曲による彩りが個人的にはどストライクの連続で、80's独特のクールさと毒のあるポップさの融合で酔いしれるほどの高揚感に包まれていました。

セロン姉貴の、トレーニングを積んだ刺激的なアクションは勿論のこと、セロン姉貴本来のクールビューティーさをフル活用したキャラ設定がとにかく秀逸で、戦闘シーンではその場にある物を鍋だろうがロープだろうがヒール👠 だろうが御構い無く武器として使用し、殴る蹴るの猛攻でなぎ倒していく勇ましさに拍手喝采ですよ👏!!笑 ブテラとの百合展開も見所の1つで、激しくも大人で甘美な世界に誘われます。

マカヴォイはこういうタイプの役柄多めだし、似合っているのは分かっているので申し分なく力を発揮してくれていて嬉しい限りでした! 裏でチョロチョロしているズル賢い悪い奴がめっちゃ似合うんだよな〜 笑

トビー、エディ、ジョンという中々豪華なメンツが揃っているのも愉快で楽しいのですが、最近『IT』という映画について色々調べていた影響で、ビル・スカルスガルドが現れるたびに何故か恐怖を感じるという個人的に特殊な現象も味わえました♪ 笑 ちなみに全く怖い役柄ではないです!笑

最後の最後には…おっと、これ以上はネタバレになりかねないので、ボカして述べますが、ラストでアレに乗り込んで良い男の言葉に「それいいわね✨」と素で応える様子が仕事姿とは違い、解放感とプライベートっぽさが感じられてキュート!! あの終わらせ方はズルいなぁ〜硬派なイメージの女性が垣間見せる素の時の優しい笑顔にゾクっとしました♪ 勿論、いい意味で!
(ちなみに“良い男”はそのまま和訳しただけなので、悪しからず…笑)


【p.s.】
セロン姉貴の肉体美もさることながら、氷風呂🛁に浸かっている姿とか、バーでネオンライトに照らされて輝く瞳とか、そこに存在しているだけで画になるのが姉貴な訳で、それを多分意識してビジュアル的にも特異な演出を施しているのだと思います。

しかも何着ても似合うし、男だろうが女だろうが関係ないスパイの世界で勇ましく、強く、それでいて美しく生きる姉貴の姿にこっちまで日々頑張ろうと勇気付けられました💪

ある意味画期的な作品で、肉弾アクションを更新したリーチ監督の“らしさ”と映画的“新しさ”を体感出来る良作でしたので、音楽を身体で感じるためにも是非劇場でご覧下さいヽ(*´∀`)!!


【映画情報】
上映時間:115分
2017年 アメリカ🇺🇸/監督 デヴィッド・リーチ/脚本 カート・ジョンスタッド
原作 アンソニー・ジョンストン&サム・ハート『The Coldest City』/製作・主演 シャーリーズ・セロン/キャスト ジェームズ・マカヴォイ/ソフィア・ブテラ/ジョン・グッドマン/エディ・マーサン/トビー・ジョーンズ/ビル・スカルスガルド
/冷戦末期、ベルリンの壁崩壊直前の1989年。西側に極秘情報を流そうとしていたMI6の捜査官が殺され、最高機密の極秘リストが紛失。リストの奪還と、裏切り者の二重スパイを見つけ出すよう命じられたMI6の諜報員ロレーン・ブロートンは、各国のスパイを相手にリストをめぐる争奪戦を繰り広げる!!
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