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アトミック・ブロンドのrollinのレビュー・感想・評価

アトミック・ブロンド(2017年製作の映画)
3.8
美女で野獣のゾーラよろしく、完全にネクサス6型レプリカントなシャーリーズ・セロンのアトミックな魅力が内出血してるコールド・ウォー。

ジャーマン・ニューウェーブのディストピアSFの様な世界観は大好き。タルコフスキーやらデビッド・ハッセルホフやら、2017年を代表するSF映画のキーワードと共鳴してるのは、本作も80年代ブームの流れのひとつやからということやね。

ジョン・ウィックを超えて最早レフン監督レベルなネオンカラーと落書きまみれの壁。前半はあらゆるカットがポップアート然としていて、特に登場人物がやたらと壁にもたれかかる構図の多いことは、ベルリンの壁とグラフィティアートを直結させ、本作のコンセプトとテーマが見事に核融合していると感じました。

XYZ軸を最大限に利用した階段の長回しは、主人公ののっぴきならない状況を見事に演出してるし、冒頭の敢えてのCGとの対比も効果的。氷の張ったバスタブに潜った時のティクビのシルエットとか、もうエロいのかかっこええのか分からん。

ただこの映画ね、終盤に向かうほど散漫でストーリーへの興味がどんどん失われていくんや。キャラクター以外の部分に映画としての求心力がなさすぎ。
サントラも最初は新鮮やけど流石に鳴りすぎやし、ロンドン・コーリングのダサすぎる使い方にはズッコケてまう。

ティル・シュバイガーのさりげない出演と、リアルザンギエフ(弱い)が観れたのはラッキー✌️
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