誰も信じるな。と、映画自体が早い段階で
宣言していて、映画を観終わっても、
どこまでが真実だったんだろうと考える。
もしかしたら全部ロレーンの作り話では
ないのか、とも思えてくる。カイザーソゼ！
スパイ映画であり、
硬派なコンゲーム映画でもある。
骨太で、泥臭い、一度観ただけでは
全体の骨格が見えづらい複雑な作品。
でも、それでいい。
それでこそコンゲームだ。
あっ、えっとー、面白かったです。
褒めてますよー。
ロレーンと言うキャラクターは
何者だったんだろうか。
白髪にも銀髪にも金髪にも見える髪。
超絶美人で抜群のスタイルで、
颯爽と、コートの裾をなびかせて歩く。
そんな人いる？世界中のスパイが
集結して、なりふり構わず動いているのに、
そんな人いる？
あまりにもアイコン的で、つまり象徴的で
どこか浮世離れしている。し過ぎている。
まるで麒麟やユニコーンのような伝説上の
生き物みたい。
シャリーズが演じているから？
そりゃそうだ。そりゃそうだけどさ。
彼女が羽織っていたのは、何もコート
だけじゃないよ。そこがこの映画を
面白くしているよね。
上手いなぁと思うのは、
ロレーンが好むのはウォッカと氷風呂で
やっていることはロシア人ぽい。
反対にパーシヴァルが呑んでいたのは、
アメリカのテネシーウィスキーだ。
スコッチウィスキーではなくて。
2人ともイギリスの諜報員なのにだ。
お前らは何者なんだよ、とずっと
問い続けることになる。
複雑に張られた伏線に、思考が
あっち行ったりこっち来たりで忙しい。
こりゃ一筋縄ではいかなそうた。
全てのシーンに何か意味があり、
全ての台詞にも意味がありそうだ。
また今度気持ちにゆとりがある時に
観てみよう。
みんなはどう思ったんだろう？
僕はあの大立ち回りでさえ
なかったんじゃないかなって
思ってるし、パーシヴァルも
もっとマトモな奴だったじゃないの
かなって思ってるんだよね。
誰も信じるな、と映画は言う。
