タキ

アトミック・ブロンドのタキのレビュー・感想・評価

アトミック・ブロンド(2017年製作の映画)
4.0
スパイ映画といえば頭に浮かぶのがほとんど男性が主人公のもので女性のスパイもでてくるにはでてくるが添え物的な役割であったり恋愛の対象であったりしてなかなかガッツリ系のものはない。それを見事に体現してくれたのが本作、アトミック・ブロンドだ。1980年代のポップスを劇伴として使用しており重苦しいストーリーに華を添え、映像の色彩がクールでお洒落。そしてとにかくシャーリーズ・セロンがめちゃくちゃカッコイイ。
ベルリンの壁崩壊が迫る1989年の秋。MI6は潜伏中のスパイ、ガスコインを殺害した組織を崩壊させるべく、ロレーン・ブロートン(シャーリーズ・セロン)をベルリンへ送り込むのだが、MI6といえばかの有名なジェームズ・ボンドを思い出しニヤリとしてしまう。もちろんコメディ路線のアレではなくグレイグのアレ。あちらのトップはMだがこちらはCというらしい。そして組織の命令でMI6ベルリン支部の責任者デヴィッド・パーシヴァルとタッグを組むことになる。このパーシヴァルがなんとも食えない男でチョロチョロとローレンを邪魔する行動をさしはさんでくるのだが、ジェームズ・マカヴォイの調子良さげな風貌がほんとうにピッタリでキャスティングに関しては百点満点。DGSEのエージェント役ソフィア・ブテラもよかった。新人にしてもなかなかのドジっ子ぶりだったが、義足が刃物の殺人マシーン(キングスマン)だったりヤンデレの砂漠の女王様(ザ・マミー)というキワモノの役からこんなフツー(?)の女の子に…!と思うと感慨深い。
ストーリーは正直、重苦しいわ暗いわ万国スパイ博覧会だわで闇の中でゴチャゴチャやってるイメージが強くて、その中で燦然と輝くブロンドのシャーリーズ・セロン!眩しい!といった感じ。このストーリーではシャーリーズ・セロンなくては成立しない。フルスロットルのアクションで血まみれのズタボロになっても絵になる。完全に2次元だった。作画がよすぎる。
騙し騙され誰が何を目的に動いてるのかわからない時間が長くて挫けてしまったそこのアナタ、ラストでスッキリさわやかに解決するので途中で諦めないで!とにかく分かんなくても最後まで見ることをオススメする。
タキ

タキ