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アトミック・ブロンドのはくあのレビュー・感想・評価

アトミック・ブロンド(2017年製作の映画)
4.4
ミスリードに次ぐミスリードでこれぐらい振り回してくれればこちらも満足かなという気がする。

主演はシャーリーズセロン。鋼の肉体。
スパイ映画だがストーリーは概ね回想のかたちで進んでいく。最初は何でこうするのかなと思ったんだけど、二重スパイの話を時系列いじりなしでやろうとすると観客の頭が追いつかないのでたしかにこうしたほうが優しい。

「リストの奪還」と「二重スパイ・サッチェルを特定する」ことがストーリーの軸になっていて、それを巡ってCIAとかKGBとかMI6とかDGSEとかがいろいろやる。視聴者がサッチェルが誰かを当てることは、まあヒントがないことはないけどむずかしいと思う。気持ちよく騙された。

この映画のいいところは、みんなスパイらしく戦闘力がほどよく低いところ。泥仕合のような戦闘が多く、超耐久・超反応で撃ち合うような映画とはまた違った楽しみがある。

いい俳優がたくさん出ている。フランス女役のソフィア・ブテラはキングスマン同様の美貌(とケツ顎)を披露している。作中ではシャーリーズセロンといい感じになるが、張りのあるいい乳でした。
シャーリーズセロンやジェームズマカヴォイはもちろん。スパイグラスの俳優もくたびれた感じが良かった。あとは「時計屋」が「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」の片割れだった。

個人的に印象的だったのは、タルコフスキー「ストーカー」の上映されてる映画館での戦闘。シーンとしては良かったけどあれの上映中に非常ベル鳴らされたらつらいなあと思ってしまった。

途中で外交官ナンバー?のVOLVOが出てくるが、エンブレムがめちゃくちゃ頼もしく感じた。他のシーンの車もぜんぶVOLVOだったらみんな助かったのに……(?)

BGMもいいんですよね。ブルーマンデーから始まる映画は名作……
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