紅孔雀

アトミック・ブロンドの紅孔雀のレビュー・感想・評価

アトミック・ブロンド(2017年製作の映画)
4.7
女スパイ映画史上に残る傑作だと思う。
時代をベルリンの壁崩壊時にした設定の妙。冷戦下の重苦しい雰囲気を見事に再現し、さらに誰が敵やら味方やら分からぬストーリー展開もお約束通り。私は、かつての名作エスピオナージュ『10億ドルの頭脳』(by ケン・ラッセル)を思い出しました。
ただ、単なる懐古的スパイ映画でなく、イギリス、アメリカ、ロシアさらにはフランスの諜報部員までもが入り乱れる、という破天荒な展開と、その縺れた糸を切り裂くシャーリーズ・セロンの切レッ切レのアクションに唸らされました。この映画のための訓練が厳しく、食い縛った歯が折れた、というセロンの役者魂にも👏。撮影時、既に40歳を超えていた彼女が、これだけのアクションをこなしたことに驚きます。
PS:映画館での格闘シーンで、背景で上映されていたのが偏愛するタルコフスキー『ストーカー』だったのは嬉しい驚きでした。リーチ監督(or 彼を抜擢したセロン?)、いい趣味してます!
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