原田泰造への「当て書き」な映画。当たり役だ。
どっち付かずの、多くを語らない主人公(バツイチの深夜バスの運転手)を静かに演じている。
娘も息子も問題を抱えて、元妻も父の入院を機に……という設定も面白かった。娘がコスプレアイドルなのも今ふうだ。
新潟日報の140周年記念映画なので、もっと感動だけの教科書的・優等生的内容かと思っていたが、設定はじめ予想が裏切られたので、面白かった。
157分と三時間近くの内容で、たくさん新潟の各所がロケされているから入りもよかった。
当て書きといえば山本未來も魅力的だ。いい意味で、うまく年をとった。
原田泰造でなくても、抱きしめたくなる。
そして、その逆が小西真奈美だ。同じ新潟がたくさん出てくる『blue』でデビューしてからほとんど変わらない。何と2001年公開だ(市川実日子が主演)。
長塚京三の貫禄も含め役者が良くて、風景もいい、印象に残る映画だった。