和桜

静かなる復讐の和桜のレビュー・感想・評価

静かなる復讐(2016年製作の映画)
3.8
復讐をテーマとしたスペイン映画。
物静かな普通の男がある事件の犯人を一人ずつ捜し出し復讐していく。
途中までの綿密な計画や犯人捜しに比べ、衝動に駆られ淡々と殺していく姿はリアルな感情を見せ付けられている気分となる。
地味な映画だがラストのシーンはかなりハラハラさせられて、カメラワーク含めて本当に上手かった。

『狼の死刑宣告』みたいな抑えきれない怒りにより復讐の鬼と化す作品ではない。怒りというより悲しみの狂気が静かに進行していく。
相手への怒りによって復讐する者、悲しみによって嘆きながら復讐する者、あるいは誰かのためにそうする者。同じテーマでも主体によって全くの別物になるよね。

よく出来た復讐をテーマにした作品は、見終わった後でもその復讐者の姿が心のどこかに強く残り続ける。
全ての復讐を肯定するわけではないけど、印象に残った復讐映画は主人公に対してどこか共感させられてしまっている部分がある。
和桜

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