静かなる復讐の作品情報・感想・評価

静かなる復讐2016年製作の映画)

Tarde para la ira/The Fury of a Patient Man

上映日:2017年08月04日

製作国:

上映時間:92分

3.3

あらすじ

アナ(ルス・ディアス)は家族が経営する寂れた町のバーで働いている。息子が一人いるが、夫は強盗事件に関わった罪で服役中。その出所を目前に控え、アナは漠然と将来に対する不安を抱えていた。日々客としてやってくるのは、昼から酒を煽りながら賭け事に興じるような男たちばかり。ある日アナは、そんな客たちに混じって店に来た風変わりな男に気付く。他の男たちと違って大声で下品な冗談も言わず、物静かで身なりも比較的き…

アナ(ルス・ディアス)は家族が経営する寂れた町のバーで働いている。息子が一人いるが、夫は強盗事件に関わった罪で服役中。その出所を目前に控え、アナは漠然と将来に対する不安を抱えていた。日々客としてやってくるのは、昼から酒を煽りながら賭け事に興じるような男たちばかり。ある日アナは、そんな客たちに混じって店に来た風変わりな男に気付く。他の男たちと違って大声で下品な冗談も言わず、物静かで身なりも比較的きちんとしている。どこかミステリアスなその男=ホセ(アントニオ・デ・ラ・トレ)は毎日店にやってきて、徐々に客たちや店で働くアナの家族とも打ち解けていく。アナもまたそんなホセに惹かれてゆき、2人はやがて男女の仲になる。しかし、ホセはアナの夫が関わった強盗事件で愛する者の命を奪われた「被害者の遺族」だった。何も知らないアナは、夫が出所してきたにも関わらず、益々ホセに心奪われてゆく。果たしてホセの本当の目的とは?物静かな男の凄絶な復讐が今幕を開ける。

「静かなる復讐」に投稿された感想・評価

城戸

城戸の感想・評価

3.0
わかるんだけどどうしても面白いと思えなくて後半しんどかった
ヤマ

ヤマの感想・評価

3.7
面白いと思う。

静かなる?
表向きは静かだけど、主人公の心の内は決して静かでも穏やかではない。

復讐心とそれに対する葛藤がきちんと表現されている。
邦題に偽りなしの内容。寡黙な男ホセの復讐が静かに語られる本作。僕が思うに、ヨーロッパの映画はハリウッド映画などとは違い、本当にセリフなども最低限でほとんどが俳優たちの表情やセリフの間のみで成り立っているように感じる。ヨーロッパの映画はそれが故に少し退屈なイメージを持っていたが、この映画は強い緊張感が張り詰めており観客を引きつけて離さない映画となっている。

前半はほとんど主人公ホセやその周りについての説明がなく、ただただホセの日常が淡々と描かれる。普通だと退屈に感じてしまうような部分だが、主演のアントニオ・デ・ラ・トレの演技力の高さによって目が離せないものになっている。彼の"家族"というものに対する羨望やそれを失ったことに対する喪失感を表情や雰囲気だけで表現している。そして演出もその演技に余計な味付けをしておらず、全体として繊細な作りになっている。

では後半からは怒涛の展開かと言われればそこまでではなく、前半同様の物静かな演出のままではある。しかし、そこまで抑えられてきた主人公の怒りや悲しみというのが一気に放出され、緊張感が張り詰め始める。そして主人公だけでなく、彼に協力させられることになったある人物の描写もまた素晴らしい。ホセに対する罪悪感や同情、恐怖が表されており、復讐モノというよくあるジャンルにまた違うバディモノのようなエッセンスが加えられている。そして、その先に待ち受ける残酷な事実がより復讐という行為の虚しさや焦燥感を際立たせている。

復讐モノという激しさを求められるジャンルでありながらここまで静かに仕上げられている作品も珍しい(『ブルー・リベンジ』などに近い気もするが)。地味と言ってはそれまでの映画ではあるが、その静かなる復讐に中に込められた悲しみと怒りは計り知れないものがある。罪を犯した者には罰が、罪を償った者には救いが、そして復讐を行った者には何も残らないのだ。
主人公の葛藤も少し垣間見れたけど、これといった起伏も無く淡々と進行して行く感じ。
ヨーロッパ映画全般に言えることだけど、表情や心理模写がリアルで自分が作品の中に居るような錯覚に陥ることしばしば。
それと登場人物のいかにも生活に疲れた感やたまに出る軽い絶望感なんかもリアル。
ハリウッドのような客受けするような派手な演出では無いので退屈だけど、この手の映画は定期に観たくなる。
強盗グループに妻を殺され、父を昏睡状態にされた男が、身元を隠し元グループの一員だった男に近づく。目的は復讐。スペイン映画。
実はスペイン映画ってある一定のクオリティ以下の作品は存在しないのではないのか?…なんて訳は無く、単に低水準と見なされた作品は日本まで入って来ていないだけなのでしょう。
今作も流石のクオリティ。俳優陣はみんな良いですね。どう見てもその辺の人たち。撮影も編集もとても端正。整ってる。落ち着いてる。いや、落ち着きすぎてる!…静かすぎないですか?この作品。揉み合いの乱闘シーンはリアルなのかもしれないけど見映えはしないし、場当たり的な復讐も、報復だの警察による追跡だのは描かれません。尺の短さもあってか意に介さず逃げ切りの姿勢。どんでん返しって程の物でもない、隠された真実…。
日頃スペイン映画に度肝を抜かされ慣れているので、ここまで“普通に良くできた”作品を観てしまうと、なんだか物足りない。あー、ダメな観客ですよねぇ。…でもですね。
例えば、今作のレーダーチャート(五角形のグラフ)は全てが3点位の小さめのキレイな五角形になります。コレの端っこを持って、体の捻りを加えて、「トゥ!」ほら、シュルルル〜とだいぶ安定して飛んだけど、マトには刺さらないで落っこちました。ところが別の、このギザギザのレーダーチャートを同じ様に、「トゥ!」ヒュヒュヒュヒ!とブレながら回転してマトにグサーっと突き立っておりますぞ!いまのギザギザは『私の、生きる肌』。色も真っ赤で派手!やっぱスペイン映画はこうでなくっちゃ!

…すいません。特に何も思いつかなくて、あーどうしよー、どうしよーって思いながら書いていたら、こんな体たらくです。でも、良い作品なのは間違いないし、3.0も嘘じゃないよ。うー、困ったなぁ…。
…「トゥ!」『ブランカニエベス』をくらえ!
にげれー!わあぁああぁああぁぁ…。
みや

みやの感想・評価

3.5
タイトルに偽りなし。
静か〜に復讐してた。

復讐の時だけ目に生気が宿る。
淡々と進むのも悪くない。
WTF

WTFの感想・評価

4.0
記録
とり

とりの感想・評価

3.5
LA IRA 怒り「失うものはない、俺は知りたいだけだ誰がやったのか」この西製復讐ドラマはあちこち転がっては急に来る見事なストーリーテリングの緩急、まさに静と動が道徳的倫理的曖昧さの中にハッキリとしている。復讐と贖罪、新たなる中年主人公像を打ち立てつつ。主人公がタイトル通り"静"なイメージなのに対し、一方で男女の情熱のように"動"を描いているものも特に面会で妊娠したって凄いな。終盤何気に震えた、痺れた(武者震い?)。案外あっさりと太陽の下紡がれるこの物語には、セリフにしなくても各々の葛藤がしっかりと見える。物語の導入部として言うなら『ドライヴ』とかでハリウッドを中心にクールに描きがちな犯罪モノの後日談で、被害者側から見た顛末。そして不思議な一味変わったロードムービーになっていく。いつの時代も庶民の心に火を点すリベンジものの胸熱さ(法で裁けない野放しになっている悪を制裁するのも同じ)。リベンジものを見る際にはどうしても情にほだされて復讐者側を応援してしむうタイプです、復讐を完遂しろと。途中お揃いのジャージ着て仲良しかよ!普段静かな人ほど何を考えているか分からないとはこのこと。消えない悲しみと哀愁、胸を締め付ける寂寥の想い。自分では偽ることのできぬ空っぽの想い。タイトルのイメージ通りスピーディーな作品ではないし、すごく面白いかは分からないけど新鮮で、詩的というか文学的というか"間(ま)"余白を大事にしている、無理に埋めることなく。映像で語ることを知っている。
「奴等を捜すのを手伝え」「妻と息子に何かあったらあんたを殺す」
「何とか言えよ、口が聞けないのか?」
TOMATOMETER100% AUDIENCE77
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