始まってすぐに園子温みたいだなと思った。
いかにも自主制作っぽいエネルギーとか、
パンチラとか、過激なバイオレンスシーンとか、色付きの照明とか。
自主制作あがりだし、
予算も全然ないだろうから、
映像自体に締まりはない。
もう殆どのカットが緩すぎるくらい
構図とかレイアウトとかがシャバシャバ。
でも演出アイデアが豊かで
ちょくちょく「お！」と思わせてくれるから引っ張られる。
あーこれやりたかったんだろうなぁ。
おーこうくるか！
あ、これはあの監督作品っぽいなー
とかって思いながら見てた。
バイオレンス、ホラー、コメディ、
いろんなジャンルが入ってて、
コメディのシーンなんかはテレビドラマっぽいポップさがあって、個人的にはあまり感心できなかったんだけど、
一方でバイオレンスシーンとかホラーシーンは最高。
新鮮な描写の連続なので、暴力映画好きとしては「この人！わかってるなー！」って。
首締めながら「ジュース頂戴、タバコ頂戴」とか笑
どうやら元ネタの手記本どおりらしいんだけど。
ホラーシーンも良くて、あーちゃんとジャパニーズホラー表現できてるなぁと思うし、あのトラウマ的に出てくる黒い影の亡霊が古谷実の世界観に似てて好きだった。
日本映画では名の知れた造形の西村さんが関わってるし
ていうか西村さんの制作会社が作った映画だから、
目が飛び出る所とか、頭ぶち抜かれて脳味噌が露わになる所とかの美術には気合が入ってた。
もちろんダメなところはたくさんある。
いまのカットバックいらなくね？
いちいちチャプターで説明しなくていいよ園子温かよ、とか。
あとは特に技術面が辛くて
カメラはゆるーいフレーミングで酷いし、
セリフの音量に差がありすぎて聞こえずらかったりうるさかったりで録音及びミキシングが酷いし、
照明もとりあえず色付けとけ！みたいなかんじだし、
カラコレも目が当てられないくらいだし…
でもこれらは技術面が問題で、
つまりは予算の問題だと思う。
もし予算がたくさんあればマジでめちゃくちゃ凄い映画になってたと思う。
海外の監督たちに影響を与えるレベル。
北野武みたいな感じで。
次回作たのしみ
