samurai_kung_fu

96時間のsamurai_kung_fuのネタバレレビュー・内容・結末

96時間(2008年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

本作が優れているのは、アクション映画としてもモチロンそうだが、普遍的な世界の側面を切り取っているからだ。
その側面とは「経済」だ。
嫌世的に「金があれば何でも買える」と言った時に「何でも」が指すのは往々にして「愛情」や「道理」であろう。
金があればセックスはできる。金が続く限り誰かから愛され続けもするだろう。黒いものを白と言わせることも出来る。不法だとされている行為でさえ、適所に金を支払えば見逃されもする。いくら受け入れ難くても、それが「資本主義の世の中の理」であり、大なり小なり日常的に目にする光景だ。
しかし、親が子供に対して抱く愛だけは金銭に還元されない。
本作のお父さんは犯罪も犯すし、殺人もする。刑事から情報を得るためにてっとり早く最凶な拷問を、最凶だと確信して犯す。
資本主義の不条理を、親であるというだけでガンガンと踏みにじっていく。その愛の深さに感動するのだ。
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