TK

96時間のTKのネタバレレビュー・内容・結末

96時間(2008年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

イコライザーからの流れで最強オッさん。
どうやら自分はこのジャンルが大好物らしい。
善と悪が確定した状態での無双などうやっても爽快感がある。
この作品は宇多丸さんの言うように誘拐されるシーンがリアルタイムに起こっていて且つそれを歯をくいしばりながら聴いているしか出来ないという状況が、ゴムを限界まで引っ張ったパチンコの様に主人公の怒りを持続させてくれる。
この溺愛してるパパにコレをやったらという作りが非常にわかりやすい。
それともう一つ個人的にいいなと思ったのが、グッドラックという唯一の敵との会話を効果的に演出した所。このアルバニア語訳してくれは最高にクールだった。謎の通訳とのやりとりもいいお膳立てになっていた。
出来るならあれがクライマックスだったら良かったが、その後に出て来るキャラがどんどんどーでもいいヤツになって来て、直接関わりの無い人間になっていく所に物語の失速を感じた。
最後の敵に至ってはただ娘を落札した親父なだけだから。。
他にも大きなノイズとして、娘の好感度がすこぶる低いこと、さして可愛くもない所は主人公の気持ちはわかるが乗れない部分であった。アジョシやイコライザーは被害者に自業自得感がないからすんなり乗れた。最初の好感度の上げとくか、あるいは事件後に反省や変化をみせるなりこれもなんとか出来た部分であると思う。

あとはシンガーパート(最初アレが大物に関わったきっかけで娘がシンガーの替え玉で誘拐とかの流れかと思った)、2つのカーチェイスは全然物語に効果的に必要じゃなかった。むしろあの娘に最後必要以上のご褒美を与えているとさえ思ってしまうのは自分の性格の悪さだろうか。。

それよりも手がかりの少なさでどうやってあそこまで辿りつけたのかわからないシーン(倒す敵)が多過ぎたのでそこでもうすこしプロフェッショナルを見たかった。

あとこの邦題は酷い。全然96時間はこの物語は関係ない。そこはもちょっと考えて。

ともあれ上演時間もコンパクトで非常に楽しめた。
2も観ようと思う。
TK

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