おどろきの白鳥

漫画誕生のおどろきの白鳥のレビュー・感想・評価

漫画誕生(2018年製作の映画)
3.8
東京国際映画祭で鑑賞。

日本漫画の近代の祖と言われる、北澤楽天の生涯を映画化した作品。

主演のイッセー尾形が、残っている写真のイメージをトレスしていて、実に見事。
新聞の風刺一コマ漫画から始まり、門下生に日本初のアニメを作った下川凹天らを抱え、少女漫画を初めて連載、出版した全集が幼少期の手塚治虫に影響を与え、戦中に軍に協力した悔いから戦後は大宮で隠遁生活を送ったところまで。

史実通りではなく、創作された部分が多い。
全体を通しての役人との会話や、同時代の作家たち~岡本一平(岡本太郎の父)・横山隆一(『フクちゃん』作者)らとのエピソードは映画として作られたものではあるのだが。
エンタメとして落とし込むには、なるほどと思わせてくれる内容でした。

映画単体としても、明治~昭和の漫画アニメ史に興味がある方にも、オススメしたい一本。
ただ、これまだ、一般公開日が未定なんですよね。